ドレスを繕う

〈来歴〉シリーズ

ドレスを繕う

ウェディングドレスの裂け目には、思い出されるのを待つ一人の女性の人生が眠っている。

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物語

この一冊で待つもの

ティリは、ヤンゴンの古い仕立屋に残る最後の針子だ。母を亡くして半年後、彼女は、三代にわたって家族を雇った英国人仕立屋が残した、持ち主不明の衣服の箱を開ける。その底には、1925年に作られたビルマのウェディングドレスがあった。

ほつれた縫い目を初めて直した瞬間、ティリはそこを裂いた少女の身体に入り込む。ドレスは、身につけ、仕立て直したすべての女性を記憶している。しかしその人生を解き放つのは、針と糸が傷に触れたときだけだ。

裾から現れるのは、日本占領下の抵抗運動に加わった伝令。袖には、1962年のクーデター後、刑務所の門で待ち続けた妻がいる。別の裂け目は、一人の芸術家をサフラン革命へ、若い抗議者を2021年の街頭へ導く。国家は記録を焼いた。絹は触れた手を覚えていた。

立ち退きが迫り、外国人の買い手が待つなか、ティリは最後の傷にたどり着く。心臓の上に開いた銃弾の穴。それを繕うには、母がどうしても語れなかった唯一の記憶を見届けなければならない。

母と娘、抵抗としての修復、そして暴力にも消せない歴史を描く、胸をえぐるほど鮮やかで、手触りに満ちた物語。

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作品情報

シリーズ
〈来歴〉シリーズ
入手状況
制作中
言語
日本語
出版社
LPH98.lifestyle
著者
L.P.H. Nordhaven
読む順番
一冊で完結する小説