
物語
この一冊で待つもの
一九〇四年、バルバドス出身の看護婦アイダ・ブルームは、人種で隔てられた熱病病院で働くため、パナマ運河地帯に降り立つ。公式の台帳は西インド諸島出身の労働者たちの名を綴り間違え、番号に貶め、あるいは端から載せもしない。だからアイダは、自分自身の記録を付けはじめる。
医療品のあいだに隠されたその帳面は、土木の偉業が抱える余地を持たない名前と負傷とを、ひとつずつ留めていく。喪失がアイダ自身の家族に及んだとき、それは「やり残した仕事」へと変わる。
その仕事を消させまいとする女たちの手から手へ、一世紀をかけて渡りつづけた帳面は、やがて現代の運河で上級水先案内人を務めるシモーヌ・ジェームズのもとへ届く。
シモーヌは、公式の歴史がいまも古い嘘をくり返していることに気づく。それを正すことは、自らの地位を築かせてくれた組織に異を唱えること。そして、運河を築いた人々を公の記憶に迎え入れるために、正しく綴られた名前ひとつぶんずつ、どこまで危険を引き受けるのかを決めることでもある。
労働と継承、そして「記念碑を築いたのは誰か」を歴史に忘れさせない女たちを描く、世代を越える壮大な長編小説。
選ぶ前に読む
ページはまだ閉じられています。
物語を損なわずに作品を代表できる完成稿が整ったときだけ、試し読みを公開します。
作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 刊行言語 English
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


