誤植

〈来歴〉シリーズ

誤植

ゾラは人生をかけて父の誤植を直してきた。だが、その誤植こそが父の仕事だったと知る。

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物語

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不動産開発業者がゾラに与えた猶予は十日。ケープタウンにある印刷所を売れという。ずさんさの代名詞にまでなった家名も、亡き父が鍵をかけて残した版を調べれば、ようやく汚名をそそげるかもしれない。

ところが、資料庫から見つかったのは、アパルトヘイト時代の身分証明書に故意に紛れ込ませた誤字と、ずらされた数字だった。一つの誤りが、誰かに境界を越えさせたのかもしれない。一枚の校正刷りが、見つかることを望まなかった人を特定してしまうかもしれない。

引退した植字工と慎重な歴史家は、名簿を作らずに仕組みだけを復元しようとする。発見のたびにゾラの主張は強まり、今を生きる誰かの名が危険にさらされる。買い手が欲しいのは文化遺産の物語。資料館の理事会は全面公開を求める。誤りに守られた人々は、自分たちの名前を誤ったままにしてほしいと願う。

『誤植』は、紙と圧力、そして真実の記録が振るう暴力を描く、手触りと倫理的緊張に満ちた文学ミステリー。

誤りだけが誰かを守っているとき、記録をどう正せばいいのか。

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作品情報

シリーズ
〈来歴〉シリーズ
入手状況
制作中
言語
日本語
出版社
LPH98.lifestyle
著者
L.P.H. Nordhaven
読む順番
一冊で完結する小説