
物語
この一冊で待つもの
ラリベラの文書保管人セラムは、人は答えを拒めても記録は拒まないと信じている。ある訪問者が古い鍋を岩窟教会の壁へ押し当てると、石は最後にそれを手放した者の掌、その震えとためらいまで記憶として解き放つ。
女は、処刑された母の鍋だという。だが壁が映し出したのは、もっと容赦のない過去だった。エチオピアの赤色テロで、持ち主を有罪へ導く言葉を密告したのは彼女自身だった。
セラムは、公式文書が認められず、法廷でも使えない告白を追い始める。記憶が自分の家族へ届くと、中立も隠蔽の一種となり、真実は誰にも無実という慰めを与えず承認だけを求める。
石は触れた手を残す。その先を決めるのは生者だ。
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作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


