レースが覚えていること

〈来歴〉シリーズ

レースが覚えていること

占領下のブリュージュでは、手紙は検問を越えられなくとも、レースなら通せる。百年もの間、解読されるのを待ち続けた一枚の未完成パネルがある。

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物語

この一冊で待つもの

1915年、ブリュージュ。19歳のレース編み職人マルグリート・ファンダムは、ある巧妙な手法を用いる抵抗ネットワークにスカウトされる。それは、ピコ(結び目)や花のモチーフに部隊の動きを暗号化し、ドイツ占領軍があまりに貴重視して禁止できぬレース細工の中に隠すという方法だった。

マルグリートには、この仕事に求められる確かな手つきがあった。それぞれのパネルは、情報を見抜くよう訓練された男たちの目をくぐり抜けるため、美しく、ありふれ、かつ完璧に見えねばならない。しかし占領が強化され、ある観察眼の鋭いドイツ将校が街のレースに注目し始めると、その暗号はさらに危険な、そして個人的な意味を帯びていく。

それから一世紀後、繊維保存修復家イルセ・カイパーは、ファンダム家から遺された最後の箱を受け取る。カラーや洗礼式の衣装の数々に混じり、繰り返し現れる不規則さがミスとは言い切れないほど精密なパネルが見つかった。それは既知のどの図案とも一致せず、しかも未完成のままだった。

英国情報機関の記録に残る断片を手がかりに、イルセは失われた暗号の解読に着手する。モチーフを追うごとに、公式記録から姿を消した一人の若い女性と、決して届くことのなかったメッセージへと近づいていく。

解読を完遂するため、イルセはレースが「何を語っているか」を超え、それを「誰が編んだか」へと視線を向けねばならない。そして、百年遅れて届けられた真実に対し、生ある者が果たすべき責務を決定しなければならないのだ。

静かなる勇気、女性たちの隠れた営み、そして歴史がついに沈黙させることのできなかったメッセージを描き出す、触覚的な二重時間軸の小説。

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作品情報

シリーズ
〈来歴〉シリーズ
入手状況
制作中
言語
日本語
出版社
LPH98.lifestyle
著者
L.P.H. Nordhaven
読む順番
一冊で完結する小説