
灯台の競売人
〈ハロウ&タイデル〉オークションハウスが扱うすべての品には、元の持ち主がそれを手放したという「証明」がある。だが、ロット441に遺されていたのは、決して我が子を手放さなかった母親の想いだった。
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物語
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オーステンデ郊外の改装された灯台で、〈ハロウ&タイデル〉は災害の最中に人々が置き去りにした品々を競売にかける。塩を吹いて固まったコート、救命ボートに残された結婚指輪、重すぎて持ち運べなかったスーツケース。すべての出品物(ロット)には、所有権の放棄を証明する書類が添えられている。
ヨナス・マイヤーは、カタログのためにそれらの品々の歴史を執筆している。だが、書類には決して収まりきらない「声」が聞こえた。品物が誰かの手を離れた、まさにその瞬間の記憶が。
そして「ロット441」の箱を開ける。旅客船ケストレル号の沈没事故の後に回収された、子供用の赤いブーツ。その来歴は法的に完璧だった。オンラインの入札額はすでに跳ね上がっている。しかし、その子の母親は今も靴を探し続けており、ヨナスが聞き取った「手放された瞬間」の記憶は、書類に記された来歴と食い違っていた。
オークションの開催が迫るなか、ヨナスはブーツの足跡を遡る。海岸のボランティア、フェリーの生存者、保険調査員、そして「放棄」を決定的なものにするために交わされた署名。どの証言も筋が通っている。だが、どれ一つとして真実をすべて語ってはいない。オークションハウス側は、出品を取り消せば、これまで販売してきたすべてのロットの信頼性が揺らぐと主張する。
槌(ハンマー)が振り下ろされれば、ブーツは個人コレクターの手へと消え去り、ある家族の最後の未解決の問いは、誰かの「所有物」に成り下がってしまう。それを阻止するため、ヨナスは証明しなければならない。カタログの記述が細部に至るまで正確でありながら、同時に、あまりにも残酷な嘘をつき得るということを。
喪失、来歴、そして失われたものを「所有可能なもの」へと変えることの道徳的代償を描く、潮の香りとほの暗さをまとった文学的スリラー。
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作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


