
物語
この一冊で待つもの
京都では、伴侶とのあいだで口にされない真実が、植物となって育つ。結婚二十二年を迎えた健司と典子の中庭は、今や密林だ。藤が門を閉ざし、苔が小径を埋め、椿は季節を違えて花を咲かせている。
二人は、日本でも数少ない沈黙の庭師、田中由紀を雇う。由紀には、すべての根と花が何を意味するのか分かる。しかし夫婦がその真実をともに声に出すまでは、何一つ切れない。早く切れば、植物は前より密に生え戻る。
季節が巡るにつれ、小さな言いよどみは、昔の欲望、途絶えた習慣、二人とも分かち合い方を知らなかった悲しみへと変わっていく。庭を開くたび、結婚はむき出しになり、正直になっていく。最後に残るのは、裸の土の花壇に咲く一輪の黒いアイリス。誰も自分のものだと認めようとしない。
由紀は三十年、他人の沈黙を手入れしてきた。この庭は、彼女自身が植えた一つの沈黙と向き合わせるかもしれない。
『沈黙の花壇』は、結婚、選び取った沈黙、そして愛がかつて隠す必要のあった真実を描く、豊かで優しい小説。
言えなかったすべてに名が与えられたとき、愛は何になれるのか。
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作品情報
- シリーズ
- 〈親密の法〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


