
猶予のとき
求め合う心が、時間を止める。 かつて二人が紡ぐ静寂は、午後のあいだ中、続いていた。 だが今、二人を取り巻く時間が、数えられることを求めはじめている。
刊行言語 English
物語
この一冊で待つもの
元チェリストのイネスと、弦楽器製作者のアルドは、三十五年にわたり連れ添ってきた夫婦だ。求め合う心が重なり合うとき、世界は静寂に包まれ、二人だけの「猶予(グレイス)」が訪れる。時計も、友人も、家族も、二人を置き去りにして進み続けるあいだ、二人は何ひとつ変わらぬ姿のまま、そこから戻ってくる。
二人の「猶予」は、しだいに短くなっていった。最も古い友人たちは老いていった。娘のドロは、ホテルのロビーで客を迎えるときのような、よそよそしい距離を両親との間に保ち続けている。
ドロが引っ越しの手伝いを許してくれたある日、学生時代の品々が詰まった箱ひとつが、二人の結婚生活に秘められた奇跡を、もはや「二人だけの秘密」にしておくことを許さなくなる。時の寵児として讃えられてきた二人は、問わねばならない。誰かが常にその「猶予」の外に立ち続けていたのだとすれば、愛をもう一度灯し直すとは何を意味するのか。
求め合う心、長きにわたる結婚生活、そして愛とは「その部屋にとどまり続けること」だと知ることを描く、秋の気配をまとった文芸小説。
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作品情報
- シリーズ
- 〈親密の法〉シリーズ
- 入手状況
- 刊行言語 English
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


