
物語
この一冊で待つもの
スコットランド国立図書館のキュレーター、イスラ・マッケンジーは、紙質、顔料、来歴、そして圧痕を見極めれば、偽造品など見抜いて見せる。机に届けられたその地図も、厳密な調査の下で正体を現すはずだった。
作成年は1746年。描かれているのは、現在では貯水池の水底に沈んだ谷間。そして、あらゆる鑑定結果が、これが本物だと告げる。
唯一の手がかりは、辺境の領地とその最後の相続人アラスデア・ヴェイッチへと続いていた。アラスデアは四十年もの間、家伝の帳簿の三ページ先を決して読もうとしなかった人物だ。地図の真贋鑑定は望みながら、過去には触れさせたくない。イスラには、その両方を叶えることはできない。
羊皮紙上の記号が文書館の欠落部分と一致するにつれ、イスラが発見し始めたのは、失われた場所などではなく、意図的な抹消の事実だった。誰がこの地図を描いたのかを証明することは、ある共同体を歴史に取り戻すことになるかもしれない。しかし同時に、九世代にわたって守られ続けてきた沈黙について、生きている者たちに答えを迫ることにもなるのだ。
地図と相続、そして意図的に忘れ去られた者たちに対して生者が負う責務を描く、雰囲気満点の文学ミステリー。
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作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


