
物語
この一冊で待つもの
レストランでの職を失ったリガヤ「ガヤ」レイエス=バウティスタは、十分に知ることのなかった祖母からレシピ箱を相続する。カードは使い込まれて柔らかくなり、すべての誕生日カードに署名しながらも、ほとんど何も語ろうとしなかったあの抑制の効いた筆跡で記されていた。
ガヤはそのレシピを作り始める。注釈のないチキン・アドボ。戦時下の欠乏をしのぎながら作られたギナタアン・グライ。アンディという男のために生姜を効かせて作ったアロス・カルド。欄外には正確な日付と奇妙な指示が、もう一つの家族の記録を形作っていた。「六人分あるが、三人分に見えるように仕立てた」。
レシピはカリフォルニアから占領下のフィリピンへと導く。そこでレメディオスは、誰を匿い、誰を愛し、生存にどれほどの代償を払ったかを明かさずに人々を養う術を学んだ。ガヤが読み進めるほど、家族の歴史はつじつまが合わなくなっていく。ある名前が欠落している。ある料理はたった一度しか作られていない。食卓の空いた一つの席が、説明もないまま世代を超えて受け継がれてきたのだ。
箱の真実を解き明かすため、ガヤは生涯にわたり過去を閉ざしてきた用心深い母を説得しなければならない。そこで見つかるものは、愛と忠誠、そして誰が食卓を共にするに値するかについて、家族が信じてきたすべてを再編するかもしれない。
風味を保つレシピもある。しかし、誰かが味わう準備ができるまで、真実を保ち続けるレシピもあるのだ。
食を家族の記録とし、世代を超えて交わされる沈黙、そして与えられたものの中に隠された困難な愛を描く、温かくも探求に満ちた家族小説。
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作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


