
物語
この一冊で待つもの
一九五四年、マルセイユ。郵便職員シルヴィは、届けられなかった手紙を仕分け、その捨てられた人生には何も求めない。ところが鍵のかかった引き出しから、自分宛ての封筒が束で見つかる。最も古い消印は彼女が生まれる前だった。
封筒にはそれぞれ刺繍布の断片が入っている。糸から日付、名前、座標が現れ、地中海の向こうで戦争が迫るなか、フランス当局が記録したがらない墓を地図にする。
手紙は家族に否定された出自をシルヴィへ差し出す。しかし受け取れば、証拠を縫った女と、それを見つけた職員を危険にさらす。証言を守るため、配達とは所有か、保護か、それとも真実をさらに先へ進ませることかを選ばねばならない。
紙は封じられる。けれど糸は国境の越え方を覚えている。
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作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


