
物語
この一冊で待つもの
冬のブルージュ。薬剤師ナディア・フェルフーヴェンは、聖アラール第二聖歌隊のアルトを率いている。この聖歌隊の歌い手たちは、互いが隠しているものまで聴き取ってしまう。
非公開の録音の最中、冷酷きわまりない指揮者がフレーズの途中で崩れ落ちた。譜面台に残された一枚の書き置きがその死を単純なものに見せかけ、警察は早々に捜査を閉じる。
ナディアには閉じられない。倒れた直後の静寂のなかに、悲嘆を、恐れを、嫉妬を、そして一音だけ明るく響いた安堵を聴いてしまったからだ。マイクは何ひとつ捉えず、法廷が認めるはずもない。だから、その残響を追う。ほころびたアリバイ。休符が脅迫文のように読める楽譜。
手がかりがひとつ増えるごとに、輪は信頼してきた歌い手たちのまわりで狭まっていく。沈黙を証拠に変えられなければ、あの死は閉じられた書類のまま。変えられたなら、真実は、ナディア自身がなぜ公平ではいられなかったのかまで暴き出すだろう。
耳を澄ますことと権力、そして「聴かれること」と「暴かれること」の危うい隔たりを描く、文芸密室ミステリ。
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作品情報
- シリーズ
- 〈もしも〉シリーズ
- 入手状況
- 刊行言語 English
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


