
物語
この一冊で待つもの
ヴェス連邦では、州ごとに異なる年が流れている。国境をひとつ越えれば、数十年を越えることになる。そして査証は、一方通行だ。
エミール・アウネが育ったのは、首都から四十年遅れた果樹園の州ハルデ。父は道を拓くため先に「現在」へ渡り、家族が後を追う前にそこで死んだ。いまエミールは国境を越える。仕事のため、そしてフェムケのために。
首都にはささやかな驚異があふれ、母が決して訪れることのできない街に父の墓がある。かつての国を近くに保ってくれるのは、ハンネの手紙だけ。果樹園は無事。何もかも、無事のはずだった。
結婚式に母を呼び寄せるための書類手続きが、年月で測られた距離を冷厳な数字へと変えていく。去った者は、残った人々に何を負うのか。時代を隔てた愛が求めるのは、帰ることなのか、見届けることなのか。エミールは決めなければならない。
移住と、母と息子と、家族がそれぞれ別の時間に住まう国々をめぐる、静かに胸を打ち砕く長編小説。
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作品情報
- シリーズ
- 〈もしも〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


