
物語
この一冊で待つもの
イナリ近郊の家では、心地よい沈黙が一つ生まれるたび、温かく半透明の彫刻へと変わる。澄んだ層には互いの理解が、黒い帯には避けてきたものが宿る。極夜はどちらの成長も早める。
今や彫刻は廊下を埋め、窓を押し、老夫婦と外の冬支度の薪を隔てている。
サーミの伝統工芸ドゥオジを教えていたアイノには、その木目が読める。引退したトナカイ飼育者のミッコには、圧力が分かる。塊を彫れるのは二人だけ。そして一度刃を入れるたび、内部に閉じ込められた正確な記憶を声に出さなければならない。削り取ったものは、再び生きる体験となって戻ってくる。
十二歳の孫娘にも彫刻が見える。祖父母が触れようとしない黒い帯も見えている。
扉を開くには、二人で決めなければならない。どの沈黙が結婚を避難所にし、どの沈黙が壁に変えたのか。
『沈黙を彫る人』は、長く続く愛、受け継がれた沈黙、そして共に築いた人生をもう一度住める場所にする技を描く、親密で根源的な小説。
出口が再び入口に変わるまでに、共に生きた時間をどこまで削れるのか。
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作品情報
- シリーズ
- 〈親密の法〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


