
物語
この一冊で待つもの
サラ・クンディマ博士は、自分ではもう話せない言語を記録するため、パプアニューギニアの高地へ戻る。祖母の家に隠されていたのは、ヒクイドリの骨から削り出された笛だった。
サラが笛を唇に当てても、聞こえるのは沈黙だけ。次の瞬間、オーストラリアの巡察隊が山へ入ってくるさなか、彼女は見知らぬ誰かの身体に立っている。その人の恐怖が、サラ自身の記憶の中に沈み込む。
笛には、最初の接触、伝道学校、失われた森、そして守る気のなかった者たちが口にした約束の百年が宿っている。残された守り手たちはサラを待っていた。夫は帰宅を望み、鉱山会社は迫ってくる。記憶を受け取るたび、自分の人生のどこまでが自分のものなのか、わからなくなっていく。
奪われたものを残すために、サラは次の生きた記録庫にならなければならないのかもしれない。
植民地支配の遺産と生態系の喪失、そして歴史を所有することと、それを背負うことに同意する違いを描く、激しく親密な物語。
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作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


