
物語
この一冊で待つもの
建築史家のアナは、ミリ単位の寸法と図面、そして建物が示す頑固な事実を信頼している。リュブリャナの国立大学図書館の廊下で、存在するはずのない扉を見つける。
扉の先にあるのは、彼女と出会う前の夫マテイの人生だった。
最初、その部屋は資料庫のように見える。古い机、彼の筆跡、三十年の結婚生活より前の彼。だが訪れるたびに建築は変わる。語り継いだ記憶から廊下が伸び、彼がもう少しで生きたかもしれない人生を部屋が保存する。やがてアナ自身の前史も開きはじめる。
夫婦が不可能な空間の奥へ進むほど、確信を守ることは難しくなる。二人が探索しているのは、実際に起きたことなのか。起きえたことなのか。それとも、互いの周囲に何十年もかけて築いてきた共同の物語なのか。
記憶と結婚、そして愛が生き延びるために発明する歴史を描く、温かくも不穏な小説。
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作品情報
- シリーズ
- 〈親密の法〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


