
物語
この一冊で待つもの
アムステルダムの小さなアトリエで、エララ・フィッサーは四十年にわたり傷んだ写真の修復を手がけてきた。色あせた結婚式、消え去った街並み、忘れ去ることを恐れる面影――客たちはそうした思い出をエララに託す。だが、エララが写真に触れると、その中に封じられた記憶へと入り込めるという真実を、彼らは知らない。
ある日、見知らぬ人物が一枚の肖像写真を持ち込んだ。撮影されたのは一九四三年のことだった。
その画像は、愛と恐怖、そして喪失の瞬間を経て、七人の人々によって守り継がれてきた。なぜ手放せないのか、誰ひとりその理由が分からぬままだった。エララが八十年にわたる彼らの記憶を辿ると、占領下のアムステルダム、独房、ジャズクラブ、そして名付けようのない何かで結ばれた見知らぬ人々の人生へと通じる、隠された道が開かれていく。
しかし、写真の足跡を追う者はエララだけではなかった。過去は埋葬されたままであるべきだと信じる何者かが、すでに動き出している。
肖像写真を本来あるべき場所へ戻すため、エララはシャッターが閉じられた後に何が起きたのかを暴かねばならない。そして、すべての約束が果たされるべきものなのかどうか、決断を迫られるのだ。
記憶、継承、そして互いのために背負うものについて描いた、光輝く文学的ミステリー。
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作品情報
- シリーズ
- 〈来歴〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


