
物語
この一冊で待つもの
ウィラ・ケスラーとリン・ヴーは、二十八年の歳月と、一軒のありふれた家、そして誰もその存在を知らない「もう一つの場所」を分かち合ってきた。愛を交わしたあとのまどろみのなかで、二人はその〈部屋〉へと足を踏み入れる。それは、二人の歩みが作り出したすべてのもので満たされた、秘密の建築だ。他愛のない冗談は一脚の椅子となり、重ねた歳月は新たな離れとなって増築される。そして、大切な何かを打ち明けずにいるたびに、そこには鍵のかかったドアが残される。
リンの命は、尽きようとしていた。死ねば、その〈部屋〉もともに消え去ってしまう。
構造エンジニアであるウィラは、家が消えてしまう前に、すべてのドアを開け放ちたいと願う。一方、誰かの「教訓」になるつもりなど毛頭ない植物細密画家のリンは、残された時間で、陽の光が差し込む離れをもう一つ増築したいと望んでいた。告白と構築の間を揺れ動くなかで、ドアを開けるたびに、より切実な問いが二人に突きつけられる。どの秘密が二人の結婚生活を揺るがし、どの秘密が、家を支える耐力壁となって関係を支えてきたのか、と。
共に歩んできた人生を完成させるために、二人は見極めなければならない。愛とは、これまでに語り合ってきたすべての言葉の目録なのか。それとも、残された時間のなかで、今なお建て続けているこの場所そのものなのか。
夫婦のあり方、秘められた真実、切なる想い、そして親密さが築き上げる部屋を描いた、心に深く温もりを残す文芸小説。
この言語版は現在制作中です。
物語の紹介は今すぐご覧いただけます。別の言語版がすでに発売されている場合は、購入先を下に表示します。
選ぶ前に読む
ページはまだ閉じられています。
物語を損なわずに作品を代表できる完成稿が整ったときだけ、試し読みを公開します。
作品情報
- シリーズ
- 〈親密の法〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


