
物語
この一冊で待つもの
モンゴルの草原では、悲嘆が鉱物になる。胸骨の奥で面を重ねながら育ち、肉体が忘れることを拒む人々を、その内部にとどめていく。
アルタンツェツェグは、家族を死なせた冬を生き延びた。十四年後、その喪失は百四十七カラットの結晶となり、皮膚の下に透けて見える。彼女は摘出を拒む。これは病ではない。彼女の死者たちなのだ。
ユリアン・フォス博士は企業の車列と二百三十万ドルの契約書、そして自らの悲嘆の結晶を携えて現れる。雇用主が見るのは、量子記憶、医薬品、そして規制のない資源だ。だが近隣の牧畜民が摘出を受け、妻の記憶を失って戻ってくる。
夏に雪が降り、草原が乾いていくなか、アルタンは採掘された悲嘆が天候を変えると知る。草原を守るため、彼女はユリアンに選ばせなければならない。不可能の証人になるのか、それとも所有する側に手を貸すのか。
悲嘆と収奪、そして一人の人生を研究することと所有物として奪うことの境界を描く、激しく根源的な物語。
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作品情報
- シリーズ
- 〈親密の法〉シリーズ
- 入手状況
- 制作中
- 言語
- 日本語
- 出版社
- LPH98.lifestyle
- 著者
- L.P.H. Nordhaven
- 読む順番
- 一冊で完結する小説


